2022年11月19日、ウクライナのキーウ(キエフ)訪問で大飢饉(ききん)「ホロドモール」の碑を訪ねたスナク英首相。ウクライナ大統領府提供=ロイター
ウクライナ外務省は26日、旧ソ連時代の1932~33年にウクライナで起きた大飢饉(ききん)「ホロドモール」の犠牲者を追悼する日にあわせ、「ロシアは90年前と同じジェノサイド(集団殺害)の目的を追求している」としてあらためて侵攻を非難する声明を発表した。
ソ連は当時、「欧州のパンかご」と呼ばれたウクライナで極端な農業集団化を強行した。その結果引き起こされた食料不足により、22カ月で約390万人の犠牲者を出したとされる。ウクライナ政府はこの大飢饉について、当時のソ連指導者スターリンが、自立志向の強いウクライナを抑え込むため意図的に進めた集団殺害だとし、毎年11月の第4土曜日を追悼の日に指定している。
外務省は声明で「ロシアはウクライナのアイデンティティーに対する戦争を仕掛けている。スターリンのイデオロギーが再生産されている」と主張。ロシアの侵攻で起きた世界的な食糧危機を例に「処罰されることのない悪、認識されない歴史的過ちは規模を拡大して戻ってくる。ロシアの侵攻はそれを証明している」と指摘した。