業界ルールではDKは4・5畳以上でLDKは8畳以上をいうが…(写真はイメージ)
【住まい選び 騙されない知恵】#4
マイホームを探す多くの人は、不動産業者に物件を案内されたり、モデルルームを見学して購入を決めている。そのときに、住まいのちょっとした基礎知識を身に付けておくことが「成功」と「失敗」の分かれ目になる。
LDKがリビングダイニングキッチンの略であることは多くの人が知っているだろうが、では、LDKやDKの広さはご存じだろうか。
業界の決まり事としては、DKは4.5畳以上で、LDKは8畳以上となっている。最近は、ファミリータイプのマンションであれば、LDKが10畳以上の物件が増えているが、逆にとても8畳分はない狭さなのに、LDKと表示されている物件も少なくない。ちなみに、1畳は1.62平方メートル以上とされているので、8畳大であれば、12.96平方メートル以上ということになる。
疑わしい場合は、現地で実際に計測してみて、とてもその広さがないことがわかったら、退散した方がいい。そういう物件を平気で「LDK」と称して販売する業者は信用ならないからだ。
間取り図の部屋の記述に関してはBR(ベッドルーム)、MBR(メインベッドルーム)などの表記に加え、窓がないなどの理由で居室として表記できない場合には、S(サービスルーム)、N(納戸)などと記載することになっている。
最近は、収納スペースを重視する人が増えている。マンションであれば専有面積の7%以上、一戸建てなら延べ床面積の10%以上の収納があれば荷物を収納しやすいといわれている。その収納にもいろいろなタイプがある。通常のCL(クローゼット)のほか、歩いて入れる広めの収納はWIC(ウオークインクローゼット)で、さらに玄関脇に設置され、靴のまま入れる収納がSIC(シューズインクローゼット)。また玄関脇には電気や水道、ガスなどのMB(メーターボックス)、排水管などのPS(パイプスペース)などもあるが、これは当然収納スペースではない。
アルファベットで表記された間取り図だけを見せられ、大急ぎで物件を内見すると、いろいろな勘違いが起きるし、営業マンのセールストークに乗せられてしまうこともある。物件選びは最低限の知識を頭に入れてから始めたいものだ。 (つづく)
■知っておきたい略語
UB ユニットバス
RF ロフト
RBL ルーフバルコニー
R 冷蔵庫置き場
W 洗濯機置き場
EV エレベーター
WTC ウオークスルークローゼット
(住宅ジャーナリスト・山下和之)