月末は、毎週月曜連載の週刊脳トレ(認知症予防医・ひろかわクリニック院長の広川慶裕先生監修)の過去問題を、まとめて解いてみましょう。
脳へ血液を送るには、考えたり覚えたりといったさまざまな作業をすることが大切です。日常あまり行わないような問題を解くことは、脳への血流を促す近道になるのでオススメです。
では次のページから脳トレのおさらいをしていきましょう。
行き止まりになっても慌てずに
最初は「迷路」。「探索機能」という、何かを調べたり探したりするときに必要な機能に関係します。
緑の丸印をスタートして、赤の丸印のゴールを目指してください。道順をなぞるときは鉛筆やボールペンのお尻を使うと、画面が動かないのでオススメです。その場合は画面を傷つけないように、柔らかい素材のものを選びましょう。見えづらいときは拡大してもかまいません。
制限時間は30秒。
答えは上のようになります。時間内に抜けられましたか?
よく目にする熟語ですが
次は「漢字選び」です。言葉の知識や記憶に関する「辞書的知識」をもとに「識別能力」を使います。
それぞれの熟語の空欄に入る漢字を選んでください。読みは「ほととぎす」と「うーろんちゃ」です。
2問とも正解するまでの制限時間は、30秒。
答えはQ1がBで「不如帰」。Q2はEで「烏龍茶」となります。正確に覚えていましたか?
同じような形に惑わされず分類
最後は「どっちが多い?」です。分類したり違いを見つけたりする「識別能力」を主に使います。
街中のカフェでおなじみのペーパーカップが3種類あります。それぞれ何個あり、どれが一番多いでしょうか。
制限時間は30秒。
答えは、Aのカップが5個、Bが7個、Cは6個。Bが一番多いことになります。数えた個数を次々に記憶していくことも脳のトレーニングになるのです。
脳には前頭葉や大脳皮質、海馬などいろいろな部位があり、それぞれが役割を担っています。共通していえることは、血液によって酸素や糖が十分に運び込まれないと働きが低下してしまうことです。情報をやり取りするために必要な伝達物質が神経細胞間を行き来していますが、血流量の低下によって複雑な演算ができなくなってしまいます。何歳になっても明晰な頭脳を維持するためには、日ごろから脳のトレーニングを欠かさないことです。年を取って脳の働きが低下してきたと感じても、認知症になる前であれば改善も不可能ではありません。
監修:広川慶裕(ひろかわよしひろ)
1984年、京都大学医学部卒業。精神科医として、認知症予防/治療やうつ病などの精神疾患治療に専念。2014年より、ひろかわクリニック院長。精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医。毎週水曜と隔週土曜に、クリニックにて運動と思考力を鍛える「認トレ教室」を開催している。著書に『認知症予防トレーニング 認トレ 一生ボケない! 38の方法』(すばる舎)、『あなたの認知症は40歳からわかる!!! 早期発見で発症、進行を抑える』(悟空出版)など。