250㏄クラス唯一の4気筒スーパースポーツ、ZX-25Rが登場から2年で大幅アップデートを受けた。基本コンセプトこそ踏襲するものの、今度の新型は装備が大きく充実。新たに最強グレードの「RR」も誕生するなど、気合十分の進化を見せているぞ!
まとめ:オートバイ編集部
カワサキ「Ninja ZX-25R」シリーズ・2023年モデルの特徴
Kawasaki Ninja ZX-25RR インドネシア仕様・2023年モデル総排気量:249.8cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:785mm 車両重量:183kg
従来の美点を踏襲しつつ装備をアップデート
ニンジャZX-25Rは、現行の国内メーカー250ccで唯一の並列4気筒エンジンを搭載、クラス最高のパワーを誇るスーパースポーツ。ZXシリーズらしい、レーシーでシャープなスタイルと合わせて高い人気を得てきた。
今回初のモデルチェンジとなった新型も、4気筒スポーツとしての魅力は基本的には不変だが、最も注目すべきは、新たに最上級版の「RR」が追加されたことだろう。
ZX-25RRはSFF-BP倒立フロントフォークにプリロードアジャスターを追加、リアサスには圧側・伸び側の調整機能も備える、ZX-10Rも採用するBFRCライトを装備して足周りを大幅にグレードアップ。
シリーズ全体では、新たに3モードを選択できるライディングモードを追加。大型カラーTFTメーター、スタイリングのリファインなどによって、トータルの完成度はさらに高められたと言えそうだ。
Kawasaki Ninja ZX-25R SE インドネシア仕様・2023年モデル
Kawasaki Ninja ZX-25R インドネシア仕様・2023年モデル
ZXファミリーらしい鋭いフォルムは健在
フラッグシップモデルであるニンジャZX-10Rを筆頭に、ZXシリーズ全体で統一されたイメージを継承するZX-25Rのスタイリング。アグレッシブでスポーティなイメージを表現するフルカウルのデザインは、レーシーで排気量を感じさせない強い存在感を誇るもの。今回の新型も、外装に関しては基本的には従来モデルを引き継いでいる。
ただ、基本デザインはそのままだが、カラーリングの変更によって、新型25Rはより軽快でスポーティな雰囲気が強調されている。外観上で最も大きく変わったのは、従来モデルではMotoGPマシンのようなコンパクトに切り詰められたデザインだったマフラー。新型はオーソドックスな大型サイレンサーに変更されていて、サイドビューのイメージを大きく変えている。あわせて、前後のウインカーも新たにLED化されている。
Kawasaki Ninja ZX-25RR インドネシア仕様・2023年モデル
クラス唯一の直4エンジンと最新ハイテク装備で武装
ZX-25Rのパフォーマンスの魅力の核は、250ccクラスで現行車唯一の水冷並列4気筒エンジン。現行型の国内仕様でも最高出力45PSというパワフルさが自慢だ。
今回インドネシアで発表された新型ZX-25Rは、エンジンスペックに関してはユーロ4対応を図った、とあるだけで最高出力などは未公表。おそらくは排出ガス規制対応化に関する改良で、スペックなどに大きな変更はないと思われる。標準装備であるアシスト&スリッパークラッチもそのままだ。
先進の電子制御デバイスも、従来モデルからのパワーモード、トラクションコントロールに加え、今回新たにライディングモードを追加。合わせてメーターもフルカラーのオール液晶に一新。スマートフォンと連携する「Rideology」アプリにも対応し、利便性の面でも向上している。
カワサキ「Ninja ZX-25R」シリーズ・2023年モデルの各部装備
フロントカウル側面前部に埋め込まれる、スマートなデザインのフロントウインカー。新型ZX-25Rではニンジャ650などと同じLEDに変更。
同時にリアウインカーもLED化されている。バルブを使用した従来のものより小型軽量で洗練されたイメージのユニットになっている。
ZX-25RRもハンドルやメーター周辺のレイアウトはスタンダードモデルと共通。フロントフォーク右側のプリロード調整ダイヤルが違う。
こちらはスタンダードモデルのZX-25R。トップブリッジ下に装着されるセパレートハンドルでSSにふさわしい適度な前傾ポジションとし、スポーティさと快適性を両立。
フルカラー液晶メーターユニットは、ニンジャ650に採用されているものと共通。コンパクトだが多機能で見やすいデザインが特徴だ。
走行状況や好みでメーターの表示レイアウトを変更可能。これはラップタイムとタコメーター表示をメインにしたサーキットモード。
メーターとしてだけでなく、専用アプリを介してスマートフォンとの連携でセッティング変更や走行ルート確認も可能。
スチール製トレリスフレームは従来型から継承。先進の解析技術を駆使した設計で、軽量ながら理想的な剛性バランスを備える。
ZX-25RRで採用するSFF-BPは路面追従性に優れるトップアウトスプリングを採用。新たにプリロード調整もできるようになった。
ZX-25RRのリアサスには、スーパーバイクレースで活躍するZX-10Rにも採用されているBFRCライトタイプを採用、圧側・伸側減衰を調整可能。
新型ZX-25Rで大きくイメージの変わった大きなサイズのサイレンサー。角ばったデザインもZX-10Rを想わせるものになっている。
リアサスはホリゾンタルバックリンク構造。スーパースポーツらしい俊敏な走りを支える。SEとSTDのサスは従来型と同様のものが採用される。
カワサキ「Ninja ZX-25R」シリーズ・2023年モデルの主なスペック
※諸元はインドネシア仕様車
まとめ:オートバイ編集部