こんにちは、デブのデブによるデブのためのファッション&ライフスタイル情報を発信するWebマガジン「Mr.Babe」編集長の倉科典仁です。
私が運営する「Mr.Babe」及び体重80kg以上限定のオンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」では、ファッションアイテムに関するサイズやその他の機能に悩むデブ諸氏の不満の声を定期的に取材しています。
「Mr.Babe」のオシャレ系デブ諸氏
かれこれ、もう200人以上の方々にお話を聞いているのですが、ファッションの悩みは尽きません。今回はその中でも美意識の高い“オシャレ系デブ諸氏”に「ホントに欲しい美デブ系モテアイテム」というテーマで3つをチョイスしていただいたのでご紹介しましょう。
デブ向けにオーバーサイズアイテムを作っているアパレルメーカーの方は、これを参考にすれば売上があがるかもしれませんよ(笑)。
◆デブの訴え①ドレス系(キレイめ)ジャケットのセットアップが少なすぎる!
キレイめのセットアップコーデ
こちらは特に30代~40代のポッチャリ人口が一番多い世代、特にドレス系やビジネスカジュアルを好む方に多い声です。
“カジュアル系ファッションアイテム”のオーバーサイズは比較的手に入りやすいのですが(と言ってもまだまだベストサイズを探すのは大変ですが)、キレイめとなれば、ハードルはグンとあがります。
20代ならば、どこに行くにしてもカジュアルなコーディネートでわりと許されますが、30~40代になってくると、大人の付き合いやパーティー、ちょっとした外出でも小綺麗なコーディネートを求めている方は少なくありません。
芸人さんやタレントさんなどの特別な職業の方は別ですが、普通の生活を送る40代の方などが「年相応なオシャレコーデがしたい」と思うのは当たり前ですよね。
◆「年相応なオシャレコーデがしたい」
私の運営するオンラインサロンの会員さんもしかり、特にオシャレデブなモデルさんなどは「30歳過ぎてアメカジのようなカジュアルコーデばかりでは、ちょっと大人としてはカッコつかないんですよね。でもジャケットのセットアップとなると選べる数が限られてしまうので困ってます……」などとおっしゃる方が非常に多いです。
スーツなどは大きいサイズ専門店などである程度体型に合う形のものは手に入りますが、フォーマル過ぎない小洒落感のあるジャケットやセットアップを楽しもうと思っても、なかなかジャストフィットするものを手に入れるのが難しい現実があります。
結局、ウエストで合わせれば丈(着丈、袖丈)が長くなってしまうし、丈で合わせるとボタンが閉まらない……ということになるわけです。このケースは日本人の男性の平均身長と言える「170cm」前後のポッチャリ体型の方が特に悩んでいる問題です。ぜひアパレルメーカーの皆様にはこの問題を解決していただきたいですね。
◆デブの訴え②股ズレしないベストサイズのパンツが欲しい!(特にデニム系)
特にデニムパンツは股ズレがキツい…
パンツの股ズレはもうデブ諸氏にとってはほぼ100%あるあるなお話。「デブ体型の弱点」のひとつと言ってもいいでしょう。
太っている方のほとんどが当然、太モモも太っているわけで。特にスポーツをやっていた経験がある方はデニムなどの厚めの生地を使ったパンツを穿くと、季節にかかわらず汗で股の部分が湿ってしまい、太モモが擦れてヒリヒリとした痛みを感じてしまうのです。
◆歩くたびに擦れて痛い、生地も破れてしまう…
太モモとパンツが擦れないように、少し大きめのサイズを選んで穿いている方も多いのですが、実は逆効果。ブカブカなシルエットは太っている体型を強調してしまううえ、パンツと太モモの間に隙間ができ、歩くたびに擦れてなおさら痛いのです。
だからと言って、ある程度ベストサイジングで選ぶと、パンツの内股の部分が擦れ、その部分の生地がすぐに破れてしまう。デブ諸氏にとっては八方塞がりの状態……。
生地に関して、メーカーによっては股の部分に丈夫な厚手の生地で補強しているものもありますが、股ズレ問題は解決していないのが現状です。
最近はストレッチ性が高く、歩いてもしゃがんでもパンツ自体が伸びてくれるものもありますが、特にデニム系での股ズレや生地対策、ストレッチ性の高さの3つが揃ったオーバーサイズアイテムが増えれば、売れること間違いなしではないでしょうか。
◆デブの訴え③汗ジミが目立たず、消臭効果があるTシャツが欲しい!
Tシャツの汗ジミはデブ最大の悩み
この要望は体型に関係なく汗をかきやすい方ならおわかりいただけると思います。ましてや私をはじめ、汗をかきやすいデブ諸氏ならば、ほぼ100%の方が訴えている「デブあるある」の最たる悩みと言っても過言ではないでしょう。
デブ諸氏たちは季節を問わず、混んでいる電車やバスの車内はもちろん、歩いているだけでも汗が吹き出す方が多いと思います。
仕事の時はしょうがないとしても、それ以外の時は皆さんなるべく薄着で過ごしたいと思うのは当然ですよね。
暑い時季などは日本全体がサウナ状態。そんな暑さのサバイバル環境で出てくるのが「汗ジミ&ニオイ」問題なんです。
暑い日に(デブ諸氏にとっては1年を通してかもしれませんが)Tシャツ1枚で出かけられるような場面ならばマシかもしれませんが、汗はかきます。
「グレー」や「ブルー」などの濡れると変色してしまうTシャツ(シャツも含む)を着ようものなら「ラグビーの試合でもしてきたのか?」状態になることも……。
おまけにエアコンが効いた室内に入るとその汗が乾き、塩を吹いたような白い跡が残ってしまったり、“汗臭くないかな?”と気になってしまって、せっかくの楽しい時間が台無しになってしまうのです。
◆デブたちの涙ぐましい努力
現状、消臭効果のある肌着や、汗ジミが目立ちにくいシャツ類がまったくないわけではないのですが、令和を迎えた今日でも大きなサイズを含めてまだまだ少ない、いや少なすぎるというのがポッチャリ体型の方たちの声なのです。
日本の成人男性の3人に1人が肥満(デブ)の時代。そしてコロナ禍でアパレル業界が衰退している昨今、もしも仮に「デブのニーズに応えるアイテム」が大量に開発されたらワンチャンあると思いませんか?
「デブが笑顔になれば、ファッション業界が潤う」ということもまんざらない話ではないかもしれませんよ。
アパレル業界の皆様! 私たちと一緒に「デブが本当に欲しいファッションアイテム」を作ってみませんか?
<文/倉科典仁>
【倉科典仁】
渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』や暴走族雑誌『ティーンズロード』などエッジの効いた若者カルチャーをテーマにした雑誌を多数手掛ける。現在はWebマガジン『Mr.Babe』でデブに特化したファッション&ライフスタイル情報を発信中。2019年9月よりデブ限定の会員制オンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」を開設。大きな男たちだけで日本の経済を向上させるべく奮闘中(Twitterアカウント:@nori09140914)