愛知・瀬戸の街並みがリアルに再現されたバーチャル瀬戸
愛知県瀬戸市は市内の街並みをインターネット上の仮想空間(メタバース)に再現した「バーチャル瀬戸」を開設した。アバター(自分の分身)で市内を散策したり、アバター同士で会話したりして「やきもののまち」を満喫できる。市によると、詳細に街を再現したメタバースを開設した自治体は県内初。現実の経済や観光の振興に役立てたいという。【荒川基従】
中央通商店街を中心にした約9万平方メートルにある商店やオフィスビル、観光施設の瀬戸蔵、奈良時代創建とされる深川神社、人気の観光スポット「窯垣(かまがき)の小径(こみち)」などが忠実に再現されている。アバターは自由に歩き回り、4カ所あるカート乗り場でカートに乗って素早く移動することも可能だ。
バーチャル瀬戸では、名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅近くに、実際には存在しないイベントステージが設けられている。11月13日のオープニングイベントでは、このステージでバーチャル瀬戸を訪れた615人のアバターが記念撮影をした。
また、市が実施しているデジタル教室「Seto CG KID′s Program」で学ぶ小中学生が制作した「バーチャルせとランド」にワープすると、子どもの自由な発想で瀬戸の街並みをデザインした別の空間を訪れ、子どもたちが作ったゲームを楽しむことができる。
市は今後、アバターが店を訪れるとECサイトで買い物できるようにするなど、現実社会の経済や観光振興に結びつけたい考え。ライブなどイベントステージの活用も進める。市の担当者は「昭和時代の雰囲気が色濃く残る商店街や、陶磁器などものづくりが盛んな瀬戸の雰囲気に、メタバースで触れてもらいたい」と話している。
バーチャル瀬戸へは、メタバースプラットフォーム「cluster」から。