(ブルームバーグ): 中国の当局者らは景気浮揚に方針転換し、来年の経済成長率目標を5%前後に設定することを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、比較的高い目標を設定することで、新型コロナウイルス対策の規制から景気浮揚に軸足を移すことを地方政府に促すと一部の当局者は主張。その一方で、5%前後という目標は野心的過ぎるのではないかと懸念を示す当局者もいるという。
新型コロナの感染急拡大と不動産市場危機が数カ月にわたり中国経済を揺るがしており、より成長重視のスタンスを当局は採用しつつある。共産党政治局は7日の声明で、来年の景気好転を目指し、市場の信頼感を著しく改善させると表明した。
Recovery Ahead | China’s GDP growth is set to slow this year before rebounding in 2023
国内総生産(GDP)成長率目標は、12月の政治局会議から1週間以内に開かれる中央経済工作会議で議論される可能性が高い。 GDP目標そのものが公表されるのは来年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)になる。
国家発展改革委員会(発改委)に7日、ファクスで追加情報を求めたが返答はなかった。
コロナ感染が再び増える可能性や、ゼロコロナ政策の段階的緩和の過程で予想される経済のさらなる混乱を考えれば、来年の中国の成長見通しは不確実性が非常に高い。
世界経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクもあり、中国の不動産市場の回復が遅いと見込まれることも成長見通しの重しとなる。
5%前後という目標はブルームバーグのエコノミスト調査で示された予想中央値の4.9%とほぼ一致するが、バークレイズや野村ホールディングスは4%以下と予測している。
原題:China Considers GDP Target of About 5% as Focus Shifts to Growth(抜粋)
(中国当局者の意見に関する情報を追加して更新します)
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