前川喜平氏
「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」が1日、国会内で「公共放送NHKはどうあるべきか」と題したシンポジウムを開催。次期NHK会長に〝立候補〟した元文科次官の前川喜平氏(67)やジャーナリストの金平茂紀氏(68)らが出席し、NHKのあり方で議論を交わした。
シンポジウムでは「NHKが安倍チャンネルになっている」「政権に忖度し過ぎている」と、近年のNHKの放送を問題視。法政大学教授で国会パブリックビューイング代表の上西充子氏は「いつまで政府に忖度するのか。大相撲を毎日放送するのと同じように今日の国会中継をダイジェストでやってほしい」と提案。金平氏も「よくよく考えてみると、会長がこの何年か、ろくな人がなっていない」と来年1月のNHK会長人事は大きなターニングポイントになると指摘した。
NHKの前田晃伸会長は1月で任期満了となる。後任をめぐって、「市民とともに――」は「前川氏こそ会長にふさわしい」と署名集めを開始。この日までに4万4019筆集まり、NHK経営委員会に届けられた。
会長人事はNHK経営委員会が選定に当たり、公募制や公選制ではない。前川氏が選出される可能性は限りなく低い。
それでも市民団体の声に応じた前川氏は「NHKのあり方には深い疑問を抱いていた。(会長になることは)経営委員会が心の底から改心すればだが、それは望めない。それでも一石を投じることにはなる。立ち直るきっかけになればいいと思っている」と後任の会長人事が決まるまで、〝会長候補〟としての活動や署名集めも行っていくという。