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公務員といえば、警察官、消防士、教師と職種はさまざまだが、給料が一番高いのは意外な仕事だったりする。どんな仕事が最も給料が高いのか?また、公務員にも定年があるが、どの職種の退職金が一番高いのだろうか?
■「公務員の年収」一番高いのは?
一言で「公務員」といっても、さまざまな職業がある。警察官、消防士、学校の先生、市営バスの運転手……。こうした職業の平均年収は、同じ公務員なのだから一緒なのだろうか。それとも差があるだろうか。差がある場合は、違いはどれほどなのか。調べてみた。
●公務員の職種別の平均年収を比較してみる
結論からいえば、同じ公務員でも職種によって平均年収は異なる。職種別の平均年収は、総務省が毎年発表している「地方公務員給与実態調査結果」に掲載されている。早速そのデータを参照していこう。
公務員の職種別の平均年収の比較 | |||
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職種 | 給与月額合計 | 期末手当など | 平均年収 |
消防職 | 39万4,010円 | 156万3,678円 | 629万1,798円 |
バス事業運転手 | 41万3,861円 | 147万9,673円 | 644万6,005円 |
清掃職員 | 40万7,408円 | 168万7,127円 | 657万6,023円 |
学校給食員 | 34万9,134円 | 157万6,832円 | 576万6,440円 |
用務員 | 35万9,769円 | 159万6,118円 | 591万3,346円 |
小中学校教育職 | 40万9,003円 | 178万3,762円 | 669万1,798円 |
高等学校教育職 | 52万6,087円 | 251万8,700円 | 883万1,744円 |
警察職 | 45万6,572円 | 169万2,022円 | 717万886円 |
(※出典:令和2年4月1日地方公務員給与実態調査結果)
※「期末手当など」には勤勉手当も含む
紹介した8つの職種の中では、「高等学校教育職」が883万1,744円で最も高かった。一方、「学校給食員」は576万6,440円で最も低かった。
警察と消防を比べると、「警察職」が717万886円、「消防職」が629万1,798円で、警察に軍配が上がる。
■「公務員の退職金」はいくら?
安定した仕事のイメージのある公務員。退職金が高いという認識を持っている人もいるかもしれないが、実際はいくらなのだろうか?一口に公務員と言ってもさまざまな職種があり、どの職種の退職金が高いのかも知りたいところだ。
●「国家公務員」の定年退職金はいくら?
国家公務員は、大臣や裁判所職員、国会議員などの「特別職」と、各府省で働く一般の行政官や、外交官、税務職員などの「一般職」の2つに大きく分かれる。
退職金は、退職時点での給料や勤続年数、職員区分などをもとに決まる。
職種別の定年退職金は公表されていないが、2019年度における常勤職員全体の平均退職金は、約2,090万円だ(内閣人事局「退職手当の支給状況」)。
国家公務員の退職金は高い、というイメージを持っていたならば、納得の金額かもしれない。 地方公務員の定年退職金はどうなっているのだろうか?
●「地方公務員」の定年退職金はいくら?国家公務員より高いのか
地方公務員の退職金は、国家公務員と同様に、退職時点での給料や勤続年数などによって決まる。
役所の職員などを含む「一般職員」や、小中高校の教員が含まれる「教育公務員」、「警察官」といった職員区分別の退職金が公表されている。25年以上勤務した定年退職者のうち、「教育公務員」の退職金が最も高く、2019年度における全国平均は約2,260万円だ。
職員区分 | 25年以上勤務した定年退職者の平均退職金 |
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一般職員 | 2122万円 |
教育公務員 | 2260万円 |
警察官 | 2228万4000円 |
(出典:総務省「地方公務員給与実態調査」より筆者作成)
団体区分別の退職金も公表されており、例えば「一般職員」の60歳定年退職者のうち、最も高いのは都道府県で約2,180万円。その後に、市が約2,120万円、指定都市が約2,110万円、町村が約2,025万円と続く。
国家公務員と地方公務員では、平均退職金を算出する上での条件が異なるため、一概に比較はできない。ただ、上記の平均額だけを見れば、国家公務員の平均退職金である2,090万円を上回っている職員区分や団体区分も多くなっている。
文/編集・dメニューマネー編集部