英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴重で高価な装備」に猛スピードで直撃・爆破する瞬間
英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴重で高価な装備」に猛スピードで直撃・爆破する瞬間
ロシアの攻撃用ドローン「ランセット」のイメージ Anelo-Shutterstock
<ロシア軍の自爆ドローン「ランセット」が破壊したとされるのは、AIM-132 ASRAAM(先進短距離空対空ミサイル)を積んだスパキャット社製のトラック>
ソーシャルメディアに共有された動画によると、ウクライナ軍のためにミサイルを積んでいた英国製の軍用車両がドローン攻撃を受けて破壊されたという。
英政府は4月、対ウクライナ武器支援の増額を約束した。1月に今会計年度として約束していた25億ポンド(31億ドル)相当の装備に追加するかたちで、さらに5億ポンド(6億2000万ドル)の支援パッケージを提供すると発表した。
X(旧ツイッター)で、ウクライナでの軍装備喪失にまつわる情報を発信しているアカウント「WarVehicleTracker」は、48秒の長さの映像をアップした。最初テレグラムに投稿されたこの動画は、場所の分からない平原にある1台の車両を空撮したものだ。
投稿主は動画について、「しばらく防空装備の損失がない期間が続いていたが、ウクライナは貴重で高価な車両を失ったようだ」と述べている。「ここに映っているのはおそらく、ランセット(ドローン)が、AIM-132 ASRAAM(先進短距離空対空ミサイル)を運ぶ英供与のスパキャット社製のトラックを破壊したところだと思われる」
動画内の別角度から撮影されたシーンでは、車両が爆発するところが見てとれる。未検証で撮影日不明のこの動画について、本誌はウクライナ国防省にコメントを求めている。
ドローンや攻撃用ヘリに対抗
防衛・安全保障のオンラインマガジン「アーミー・レコグニション」によれば、スパキャット車両のシャーシに積まれたAIM-132 ASRAAMは、ウクライナの戦争遂行を支援するために英国が急ごしらえで供与した装備であり、空中発射型ミサイルを地上の発射装置に適応させたものだという。
英国は2022年10月、ASRAAMシステムをウクライナに提供すると発表。「カミカゼドローン」として知られる自爆型ドローンに対して用いられた事例が過去に確認されており、2月には初めて日中に目撃されている。
このシステムは、戦場でロシアのドローンや攻撃用ヘリコプターに対抗し、ウクライナ軍を空からの爆撃や襲撃から守ることを主な目的としている、とアーミー・レコグニションは述べている。
ウクライナへの武器供与を増やすという英国の約束により、長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」、防空兵器、装甲車両、ドローン、船舶、400万発の小火器弾薬が追加で供給されることになる。
今月7日、ロシア軍はポルタヴァ、キロヴォフラード、ザポリージャ、リヴィウ、イヴァノ=フランキウシク、ヴィーンヌィツャといった地域のエネルギーインフラを標的とし、巡航ミサイル、弾道ミサイル、ロケット弾、「シャヘド」ドローンを夜通し発射したと、ウクライナ空軍のミコラ・オレシチュク司令官は述べている。
ウクライナ側は、それらのミサイル55発のうち39発、ドローン21機のうち20機をウクライナ軍が撃墜したとしているが、ウクライナ最大の民間エネルギー会社DTEKは、攻撃を受けて3つの火力発電所が損傷したと報告している。
一方、ウクライナ東部のルハンスク州でロシアが占拠し設立させたルガンスク人民共和国のトップ、レオニード・パセチニク氏によれば、同地域のエネルギー施設が7日、ウクライナ軍によると見られる攻撃を受けて被害を受けたという。同地域の石油貯蔵施設が「陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS、エイタクムス)」に攻撃されたとのことだ。
ウクライナは直近数カ月でロシアのエネルギーインフラへの攻撃を強化しているが、多くの場合、直接的には関与を認めていない。
(翻訳:ガリレオ)
ブレンダン・コール
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